第1章第1考:パチンコ屋を出入り禁止になった俺の「負けない攻略法

第1章【財】

若い頃、俺には本当にお金がなかった。
だが不思議なことに、「どうしても今、金が必要だ」と思った時には、なぜかいつも工夫次第でお金が入ってきたような記憶がある。今から35年ほど前、世はパチンコの「フィーバー機」全盛期だった。
数字が「777」と揃えば大当りとなり、一気に1200発ほどの玉がゲットできる。大当りの確率は確か200分の1程度だった。実は、当時のその機種には、知る人ぞ知る強烈な「裏技(プログラムの隙)」が存在していた。仕組みはこうだ。
盤面の中心にある穴に玉が入ると、3桁のドラムが回る。同時に、玉が穴に入った分だけ最大4個まで「保留ランプ」が点灯する。その裏技とは、「保留ランプが一つも点灯していない状態で777が揃い大当りすると、次の回転でも超高確率で777が連チャンする」というバグに近いシステム上の偏りだった。これを知った俺は、俺はこういうルールを見つけ、こう考えて行動してきた。攻略法は至ってシンプルだが、凄まじい精神力を要する。
「絶対に保留ランプを点灯させないように、一発一発、極限まで集中して玉を打つ」のだ。
他の客がジャラジャラと無駄に玉を流し込んで保留を溜める中、俺はひたすら盤面を観察し、長時間じっと我慢しながら、連チャンを誘う一発を狙い続けた。

結果は、面白いように儲けることができた。
俺の工夫と自制心が、完全にパチンコ台の確率を支配していた。しかし、そんな痛快な日々はある日、突然終わりを迎える。
いつも通りドル箱を積み上げていた俺の背後に、血相を変えた店員が立ち、冷徹にこう言い放ったのだ。「お客さん、もう帰ってくれ(出入り禁止)」台の仕組みを見抜き、感情を排して攻略法を愚直に実行した結果、店側に「プロ」だと認定されて弾かれたのだ((笑))。だが、俺は全く堪えなかった。「あぁそうかい」とその店を堂々と後にし、翌日からはマークの緩い別の店に出向いて、また勝たせてもらった。還暦を迎え、3億円のマネーゲームをプレイしている今でも、この時の教訓は生きている。
「勝てるルール(仕組み)」を見つけたら、周囲の雑音に流されず、徹底的な自制心(節制)を持ってそれを実行に移すこと。パチンコ屋を出禁になったあの若き日の記憶は、俺の「できる限り負けない投資」の紛れもない原点なのだ。

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