第2章【学】「結果」ではなく「思考」を盗め。大人の勉強法

第2章【学】

勉強とは、テストで良い点数を取ったり、資格試験に合格したりするためだけにあるのではない。
自分が興味を持ったもの、不思議に思ったもの、学校の勉強、社会での勉強──その中から「物事の本質を掴み取る力(思考のフレームワーク)」を手に入れることこそが、本当の学びだ。例えば、俺はかつて司法書士試験の猛勉強をした。結果から言えば、合格はしていない(笑)。
だが、そこで得たものは計り知れない。法律を学ぶ中で、物事を「原則」「例外」「再例外」という3つのステップで捉える思考法を徹底的に叩き込まれた。この考え方は、還暦を迎えて今仕事をする上でも、すべての根っこになって俺を支えてくれている。試験には落ちたが、俺は一生物の武器を手に入れたのだ。また、記憶術(語呂合わせなど)も、ただの暗記テクニックではない。自分のマイナンバーを覚えるといった日常生活でも大いに役立つ。脳に普通に記憶しているデータと、別のイメージ(記憶術)で覚えたデータを頭の中で掛け合わせる。そうすることで、自分の行動に対する確認作業になり、「これは絶対に正解だ」という確信をより強く持つことができる。これも知恵の工夫だ。実社会の勉強だけでなく、ふとした自然の不思議に耳を傾ける純粋な好奇心も、人生を面白くする。
最近も、朝目が覚めて「なんで俺は地球にくっついているんだ?重力ってそもそも何だ?」と考えた。こうした疑問を深掘りしていく時間は、何物にも代えがたい贅沢だ。こうした興味本位の勉強も最高に面白いが、この現代社会を生き抜くためには、「経済やお金のこと」を真剣に学ぶことも同じくらい重要だ。「お金とは一体何だろう?」という本質を考えること。俺は上京すると、よく一人で日銀の貨幣博物館へ足を運ぶ。歴史の中で形を変えてきたお金の正体を覗くのは、実に刺激的で面白い。娘よ、学ぶことを恐れるな、そして楽しめ。
知識そのものは時代と共に変わるかもしれない。だが、学びの中で培った「物事の捉え方」と「尽きない好奇心」は、お前がどんな時代を生きることになっても、人生を切り拓く最強のコンパスになる。


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