第2章第5考:8歳の娘に完敗した日。ルービックキューブ全面制覇と我が家のDNA

第2章【学】

娘が小学二年生の正月、ちょうど8歳の時のことだ。
ネットの画面を覗き込んでいた娘が、ふと「パパ、これ欲しい」と言ってきた。

画面に映っていたのは、ルービックキューブだった。

俺が子供の頃、日本中でめちゃくちゃ大流行したあの立体パズルだ。
当時の俺はといえば、知恵を絞ってなんとか「2面」を揃えるのが精いっぱいで、それ以上はキツくなっていつの間にか放り出してしまった苦い記憶がある(笑)。

「まぁ、8歳のガキだし、一面揃えるのも無理でそのうち飽きるだろう」
そんな風に思いながら、ネットでポチッと注文して買い与えた。

届いた一日目。娘は興味津々で、カチャカチャとキューブを回転させていた。案の定、一面すらなかなか揃わない。

ところが、二日目から娘の行動が変わった。
自分でネットの海をあさり、「ルービックキューブを全面揃える方法(攻略法)」というサイトを見つけてきたのだ。
そこからの娘の集中力は凄まじかった。俺が仕事でいない間も、そのサイトの「手順のルール」をじっと見つめながら、小さな手で何度も何度も、練習を繰り返していたらしい。

そして、わずか1ヶ月後。

娘は俺の目の前で、何事もない顔をしてルービックキューブの全面を完全に制覇してみせた。

「あ、できたよ」みたいな感じで、信じられないほど滑らかに、簡単に全面の色を揃えていく。時計でタイムを測ってみたら、なんと1分29秒を叩き出していた。かつて2面で諦めた俺の記録なんて、一瞬で置き去りにされたわけだ。

このとき。俺はルービックキューブと手元だけ、動画に撮ってたけど、その動画見て、娘、この手の動き大人の動きだよねと言った(笑)

これには本当に驚いたし、何より胸の奥がゾクゾクするほど嬉しかった。

勉強やパズルというのは、ただ闇雲に頭をぶつけても解けない。
世の中にある「ルール(仕組み)」を自分で探し出し、その手順を自制心を持って体に染み込ませる。8歳の娘は、ルービックキューブを通じて、俺が人生で一番大切にしている「工夫と努力のやり方」を、誰に教わるともなく自分でハックしていたんだ。

娘よ、パパの完全な負けだ。パパの自慢の娘だ。
これからどんな壁にぶつかっても、その『ルールを見つける力』と『諦めない力』を忘れないでほしい。

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