第2章第9考:【人生読本25】第4回:コロナ禍の不安を溶かした、赤ペンで魂に刻む「引き算の知恵」――枡野俊明『禅の教えに学ぶ 捨てる習慣と軽やかな人生』

第2章【学】

痛快 天月です。

私の人生を支え、折れそうな心を奮い立たせてくれた本を1冊ずつ紹介していく「人生読本25」。
第4回目は、近年の世界的な大激動の中で、私のささくれ立った心を優しく包み込み、本当の「豊かさ」を教えてくれた一冊です。

『禅の教えに学ぶ 捨てる習慣と軽やかな人生』枡野俊明(毎日文庫)


■ 数年前、コロナ禍の閉塞感の中で出会った「禅」

この本、そして著者の枡野俊明氏の言葉に出会ったのは、数年前のあの「コロナ禍」の最中でした。
世界中が目に見えないウイルスへの不安に怯え、自粛や規制によって誰もが心の余裕を失っていたあの閉塞感に満ちた時期、私の心も少なからずザワついていました。

そんな時、ふと手にとったのが本書や『禅、シンプル生活のすすめ』(知的生きかた文庫)といった、枡野氏の一連の著作でした。

ページをめくるたびに、凝り固まっていた肩の力がフッと抜け、「ああ、本当に気持ちが楽になる……」と、砂漠で水を厳選して飲むような深い癒やしを覚えたのを今でも鮮明に記憶しています。


■ 文庫本に「赤ペン」で刻み込む、自分だけの真実

私は、これらの本をただ綺麗なまま読み終えることはしませんでした。
手元にある文庫本を開き、天月の心に響いた言葉の数々に、赤ペンで自分なりの解釈や本音をガシガシと書き込んでいったのです。

「執着を捨てる、とはこういうことか」
「他人の評価なんてどうでもいい。俺の心の中にだけ、本物の静寂があればいい」

先人が残してくれた禅の知恵に、自分の人生の苦労や反骨心を重ね合わせ、赤字で対話する。そうやって一本一本の線を引くたびに、文字はただのインクではなく、私の魂の深いところへとカチッと落とし込まれていきました。

私の強固な防衛(節制)の思想は、この時に赤ペンで刻んだ「禅の精神」によって、より洗練されたものへと進化したのです。


■ 現代を生きるあなたへ

世間は常に「もっとお金を稼げ」「もっと良いモノを買え」「他人より優位に立て」と、足し算の競争ばかりを煽ってきます。
しかし、そんな終わりのないレースに巻き込まれていては、心はいつまでも休まりません。

禅が教えてくれるのは、究極の「引き算の美学」です。
無駄な見栄、他人の視線、余計なモノを徹底的に「捨てる」からこそ、本当に大切なもの(愛する娘への想いや、自分の生き方)だけが、軽やかに、美しく浮かび上がってきます。

天月が目指す資産3億円のマネーゲームは、物欲を満たすための足し算ではありません。無駄を徹底的に削ぎ落とした「美しいシンプルさ」の先にある、ひとつのゲームの到達点なのです。

心が不安や焦りで重たくなっているとき、ぜひこの本を開いて、あなたの心にも「引き算の線」を引いてみてください。

(第5回『頭に来てもアホとは戦うな!』田村耕太郎 へ続く)

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