痛快 天月です。
私の人生を支え、折れそうな心を奮い立たせてくれた本や言葉を紹介していく「人生読本25」。
第11回目は、特定の単行本ではなく、私が長年、毎月の「心の支え」として定期購読し、愛読し続けている心のサプリメントを紹介させてください。
『PHP』(PHP研究所)
■ 毎月、私の心に深く刺さる市井のドラマ
『PHP』の誌面には、著名人の華やかな成功談だけでなく、名もなき一般の方々が人生の逆境をどう乗り越えてきたかという、泥臭くも温かいリアルなエピソードが満載です。
私は毎月、この小さな冊子を開くたびに、生きる勇気と心の平穏をもらっています。
中でも、私の魂に深く突き刺さり、今こうしてブログに文字を書きながらも思わず涙が溢れてしまう、絶対に忘れられない一つのエピソードがあります。
それは、ある貧しい家庭に育った少年が、後に努力を重ねて会社の社長になられた、実話の物語です。
■ 涙のチラシ裏の宿題と、先生からの「3冊のノート」
その少年が小学生の頃、学校で「ノートに宿題を書いて提出しなさい」という課題が出されました。
しかし、彼の家には、明日のノート一冊を買うお金すらありませんでした。
少年は家計を助けるために、早朝から新聞配達のアルバイトをしていました。彼の大変な境遇を知っていた新聞販売店の人が、「ノートの代わりに、余ったチラシの裏を使っていいぞ」と声をかけてくれました。少年は、その言葉通り、必死に勉強して宿題をチラシの裏に書き殴りました。
しかし、いざ学校へ行くと、周りの友達はみんな綺麗なノートを出しています。
貧しさを知られたくない。恥ずかしくて、チラシの裏の宿題を出せずにモジモジしている少年に対し、事情を知らない先生は「どうして宿題を出さないんだ!」ときつく叱りました。
少年は、仕方がなく、ポケットの奥から、クシャクシャに丸まった薄汚れたチラシの裏の宿題を差し出しました。
それを見た先生は、言葉を失いました。
少年の家庭の事情、そして新聞配達をしながらチラシの裏に必死に書いたその努力の重さを、先生は一瞬で理解したのです。先生は、大粒の涙を流しながら、そのチラシの宿題を両手で受け取りました。
数日後、少年のもとに宿題が返ってきました。
そこには、赤ペンで「大変よくできました」という温かい言葉が大きく書かれていました。そして、そのチラシと一緒に、新しく真っ白なノートが「3冊」、そっと添えられていたのです。
その時、先生が少年に贈った言葉。
「負けるな、諦めるな、絶対に!」
少年はそのノートを抱きしめて涙を流し、その恩と悔しさを背骨にして猛烈に働き、のちに一国の主(社長)へと上り詰めたのです。
■ 現代を生きるあなたへ
大学の学費免除の申請に行ったあの日、事務員に「これでよく生活できますね」と冷笑されたとき、私の心の中で怒りとともに燃え上がったのは、まさにこの『PHP』の少年と同じ「絶対に負けるものか」という激しい反骨心でした。
世間には、経済的な理由や環境のせいで、スタートラインにすら立たせてもらえないような理不尽が転がっています。
ですが、チラシの裏であろうが何だろうが、自分の置かれた場所で牙を研ぎ、牙を剥き、一歩一歩進んだ人間は、誰よりも強くなれます。
還暦を迎え、5,086万円という資産から「3億円」へ向かう私の挑戦も、この「負けるな、諦めるな、絶対に!」という先生の言葉が、私の心の奥底で鳴り響いているからです。
人生は、どこからでも直線一気で突き抜けることができる。
今、涙を拭いながら、私は確信を持ってそう言えます。あなたの心にも、この温かい熱量が届くことを願って。
(第12回『人間60歳からが一番面白い』保坂隆 へ続く)

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