第2章第3考:全校生徒400人の上位10位の壁。試験会場で俺が「参考書の目次」だけを見ていた理由

第2章【学】

高校一年、二年の頃の俺は全く勉強をしていなかった。
それは「2年あれば東大、1年あればそこそこの国立大学には受かる」という絶対的な自信過剰があったからだ。

そして高校三年生の春、俺は宣言通り、自分なりに緻密な対策と計画を練り、牙を剥いて猛勉強を開始した。

周囲の奴らの目は一変した。「あいつが急に勉強しだしたぞ」とザワつき始めたのだ。俺自身は何も変わっていない、ただ計画を実行に移しただけなのに。
中には「今さら始めたって、あの大学に受かるわけがない」と冷笑する奴もいた。

それもそのはずだ。俺が目指した国立大学は、俺の通う高校からは全校生徒400人中、常に上位10位(トップ2.5%)に君臨し続ける怪物でなければ、逆立ちしても合格できない超難関だったからだ。凡人たちが「無理だ」と騒ぎ立てるのも、確率論としては当然だった。

だが、周りが直前まで暗記している中で、俺は『思い出せるか』を確認していた。

迎えた共通一次テストの当日、試験会場で俺を馬鹿にする奴がいた。
カバンから何冊も参考書を取り出す俺を見て、「いまさら、こんな試験会場まで、たくさん参考書を持ってきてどうするんだよ(笑)」と茶化してきたのだ。

俺は心の中でそいつを憐れんだ。
当時の俺は、試験科目の教科書の内容が、大体そのまま頭の中にデータとして格納されていた。

そんな俺が、なぜわざわざ重い参考書を何冊も会場に持っていったのか。
理由はただ一つ。「目次を確認するため」だ。

試験の直前、参考書の目次を上から順に眺める。目次の文字(単語)のトリガーを引くことで、自分の脳内に記憶されている膨大な知識データが正しく引き出せるか、冷徹にダブルチェック(確認作業)を行っていたのだ。
もし目次を見て一瞬でも思い出せない部分があれば、そのページだけをピンポイントでめくって脳内データを修正すればいい。

周りの連中が試験直前に血相を変えて暗記を詰め込んでいる中、俺はただ静かに、エクセルのインデックスを確認するように目次を眺めていただけだった。知性の次元が違ったのだ。

そして、卒業式の次の日。運命の合格発表の日が訪れた。

結果は──見事、合格。

その翌日、朝刊の合格者欄を開いた。インクの匂いが漂う紙面のその大学の合格者の一番上、トップの場所に、俺の名前が堂々と刻まれていた。

俺を茶化していた有象無象の連中の顔が、一瞬で青ざめる光景が目に浮かぶようだった。これ以上ない、痛快な完全勝利だった。

娘よ、周囲の「無理だ」「今さら遅い」という雑音に耳を貸すな。
正しい計画を練り、自分の知性を信じて徹底的に「工夫と努力」を注ぎ込めば、400人中10人の狭き門だろうが、朝刊の一番上に名前を載せることだってできる。勝つためのルールは、いつだって自分の頭の中に構築するものなのだ。

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