60年という人生の長い道中、本当に色々なことがあった。
楽しいことや、嬉しいことばかりではない。のたうち回るほど苦しいこと、悔し涙を流したこと、激しい怒りに震えたこと──。まともな神経なら、メンタルを完全にやられて潰れていてもおかしくない夜が、何度もあった。
だが、そんな泥沼のどん底にいる時、不思議といつも、俺の盾となって手を差し伸べ、気持ちを和らげ、支えてくれる人がいたんだ。
傲慢に俺を見下してきた有象無象の連中の影で、俺の手を握りしめてくれた恩人たち。
断言するが、彼らがいなかったら、今の俺はここにいない。
彼らに対する感謝の念は、言葉だけでは到底足りない。だからこそ、還暦を迎えた今の俺は、それを口先だけでなく「具体的な行動」で表している。
美味い食事を奢る。そして、彼らが仕事や生きる上で何かに困っている、苦しんでいると感じた時は、俺が持てるすべての知性と力を使って、できうる限りの支えになる。かつて俺を救ってくれた盾を、今度は俺が彼らのために構えるのだ。これが、俺の矜持だ。
一方で、俺を傷つけようとした嫌な奴らや、傲慢な連中はどうしているか?
答えはシンプルだ。「一切、気にしない。心の中から跡形もなく消し去る」。
そいつらのために、俺の貴重な脳のメモリや時間を使うこと自体が、最大の損失だからだ。
人生の残された時間は限られている。
だったら、俺を支えてくれた大好きな人たちのことだけを考え、その人たちのために金と時間を使う。それだけで、人生は十分に幸せで、痛快なものになるのだ。
娘よ、そして今、人間関係で心が擦り切れている挑戦者たちよ。
敵と戦うために心をすり減らすな。お前を愛し、支えてくれた大切な人だけに全神経を注げ。それこそが、ブレない自尊心を作る最強の工夫なのだ。


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