痛快 天月です。
特に記憶に深く刻まれている15のマラソン大会を、私のランナーとしての進化の軌跡とともに紹介する連載の第5弾です。
白バイとパトカーに追われる極限のデッドヒートの末、防府読売マラソンで見事に「一度も歩かないサブフォー」を達成した私。ここから私のランニングは、さらに高い安定感と、各地のロードを楽しむ大人の余裕が加わっていきます。
今回は、常連となった阿蘇の過酷な坂道、さらなる限界突破、そして美しい地元・九州の春のレースの記憶をお話しします。
12. 阿蘇カルデラスーパーマラソン 50㎞②
1回目での「絶景とトランス状態」に味をしめた私は、初夏5月の阿蘇の常連になっていました。2回目の挑戦です。
阿蘇の深い森林をひたすら駆け抜け、まるで本格的な「登山」とでも言いたくなるような激しい上り坂を這うように進む。そこを抜けると、目の前には赤牛がのんびりと放牧されている、阿蘇の高台の美しい緑の平原が広がります。「ああ、山だなあ(笑)」と、大自然の偉大さを五感で噛み締める瞬間です。
しかし、ウルトラマラソンの本当の恐怖はここからでした。上りきったということは、次は「下り」です。
緑の平原を過ぎると、待っているのは一気の急降下。くねくねと激しく曲がりくねった下り坂を、重力と勢いに任せて一猛スピードで下っていきます。あまりの急勾配とスピードに、以前「カーブを曲がりきれず、そのまま勢いよく草むらに突っ込んでいったランナーがいた」という都市伝説(?)のような噂を聞き、足を踏ん張りながら必死に駆け下りた、スリリングで最高に楽しい思い出です。
13. 防府(ほうふ)読売マラソン②
制限時間4時間のシリアスレース、防府読売への2回目の挑戦です。
1回目のあの凄まじいプレッシャーを経験していたため、今回は驚くほど冷静に、自分のペースを守って走ることができました。
結果は、3時間52分。
1回目の記録をきっちりと塗り替え、人生で2回目となる「一度も途中で歩かない、完全なるフルマラソン完走」を達成しました。張り詰めた緊張感のある大会だからこそ、自分の成長が数字でハッキリと分かり、走っていてこれほど楽しいレースはありませんでした。
14. 佐賀桜マラソン
シリアスな防府とは打って変わって、こちらは制限時間が約7時間と、お祭り要素の強いのどかな市民マラソン「佐賀桜マラソン」です。
春の柔らかな風が吹く中、満開の桜を眺めながら、佐賀市内や弥生時代の息吹が残る「吉野ヶ里歴史公園」の中をゆっくりと走ります。
コースの舞台は、広大な筑紫平野のど真ん中。アップダウンがほとんどない、見渡す限りの「ほぼ平地」なので、とにかく足への負担が少なく走りやすさは抜群でした。地域の方々の温かい声援に終始癒やされながら、走る喜びを純粋に満喫できた、春の最高の思い出です。
■ 第5弾のまとめ:平坦な道も、激しい坂道も、すべてが人生
阿蘇の激しいアップダウン、防府でのストイックな自己ベスト更新、そして筑紫平野の穏やかな平地。
全く異なる性質のレースを走る中で、私は「人生も投資も同じだな」と感じていました。激しい浮き沈み(坂道)がある時もあれば、穏やかで順調な時(平地)もある。どんな局面でも、自分のペースを見失わずに足を前に出し続ければ、必ず納得のいくゴールに辿り着けます。
さあ、いよいよ次回の第6弾は、ほんと楽しかった3回目の東京マラソンをお届けします。
(第6弾:東京マラソン③ へ続く)

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